まずはじめに、全人的医療(患者さま一人ひとりを考えた丁寧な治療方針)を実践している歯科医なら、基本は「できるだけ歯を残して治療する」ことを重視しているはずです。それは矯正治療においても同じで、患者さま自身の健康な歯はできるだけ残しておきたいと考えるのが最近の常識です。
ただ、歯を残すことが患者さまの為にならない時(例えば理想的な歯並びにならない、横顔が不自然になり美しく見えないなど)には、しっかりと抜歯の必要性を説明した上で矯正治療をお勧めするのが真摯な姿勢と言えるでしょう。「どんな歯並びも抜歯せずに矯正します」と言い切ることが必ずしも良いことではありません。